西暦(年号)

日付

出来事

育てる会の動き

1994(H6)

6月

奥只見ダム近くで、増設工事用と思われる道路工事が始まる。

釣宿を中心に地元有志が「増設計画は地域住民の生活に及ぼす影響が過大」として、でんぱつと湯之谷村村長に宛てに計画中止の陳情書を提出するが、回答はなし

7月

でんぱつが銀山湖のワカサギ、プランクトンの調査を実施

増設予定現場では調査抗と称する大きなトンネル掘削が行われていた。

10月

秋月岩魚さんが工事進行に目をとめ、事の重大さに気付く。常見 忠代表と相談し、会もこの問題に取り組むことになる。

でんぱつは新聞社の取材に対し「増設分は緊急的に運転するので大きな被害は予想されないが、環境調査の結果次第では地元対策を考える」と回答

11月

でんぱつに出向き、計画敢行の意向を確認。「地元の同意を得ることが前提で、強行実施は行わない」と断言

ただし、でんぱつの言う「地元」とは、「湯之谷村村長」と「魚沼漁協」のことだった。

12月

でんぱつから「夏の調査結果から、増設はワカサギ、プランクトンに影響は少ない」「エサとなるワカサギ、プランクトンに影響は少ないのだから、イワナ、ヤマメへの影響はない」との説明がある。

1995(H7)

2月

総会にて、増設計画反対の意向を確認

4月

でんぱつに対し、環境調査の不十分などを指摘

でんぱつ、追加の環境調査を実施

増設工事がダムサイトに営巣するイヌワシにあたえる影響が注目されるようになる。

新潟県と湯之谷村が県営佐梨川ダム計画と蛇子平開発計画を公表

水面下で進行していたでんぱつよる湯之谷揚水発電計画が、県営佐梨川ダムとのセット計画となり再々浮上
佐梨川ダムは県とでんぱつの共同建設となる。

7月

国の電源開発調整審議会が、奥只見・大鳥発電所増設を了承

増設準備工事が増加

漁協、でんぱつに流下防止策の必要性を伝える。

1996(H8)

20周年を機に「魚から自然全体へ」という新しい方向性を模索

良くも悪くも「環境保護団体」色が濃くなる。

6月

新潟、福島両県知事に三項目から成る申し入れ書を提出

「奥只見・大鳥発電所増設に於ける奥只見湖周辺環境整備について」(要約)

  • 1.フランクトンの人工増殖を要望
  • 2.ワカサギ・ウグイ等の流下防止のため、現在でんぱつが提示している方法より、刺し網やエアーカーテンといた本格的な流下防止策を要望
  • 3.上流からの土砂の堆積が進む、北之又川河口の整備、復元を要望

7月

新潟県より申し入れの回答を得る

回答(要約)

  • 奥只見湖の漁業権者である魚沼漁協が増設工事に同意し、現在、でんぱつとプランクトンの流失対策や魚類の流失防止策などについて補償交渉中であるので、その状況を見守る。
  • 治水上、支障がない箇所は利用者から実施してもらっているのが現状。今回の北之又川については、河川事業としての対応は難しい。なお、今後治水上の整備が必要となった場合は、関係者の意見を踏まえ、河道掘削を実施する。

福島県より申し入れの回答を得る。

回答(要約)

  • 事業者(でんぱつ)が、増設取水口に迷魚防止装置を設置し、対策を行うことにしている。

8月

新潟県と湯之谷村による、蛇子平開発計画が始動

県営佐梨川ダム計画、湯之谷揚水計画の用地交渉や調査工事が始まる。

禁漁区への民宿の移住を含んだ計画に疑問の声が挙がる。

9月

でんぱつに三項目から成る申し入れ書を提出

「奥只見・大鳥発電所増設に於ける奥只見湖周辺環境整備について」
(項目、内容は7月の申し入れと同じ)

10月

でんぱつより申し入れの回答を得る。

回答(要約)

  • プランクトンの人工増殖は困難、また効果も予想できないことから、事前に専門家による検討が必要と考える。
  • 様々な方法を試験検証し、発電、保守管理に支障が無い範囲で、最良の物を設置したいと考える。
  • 河口整備は、河川区域内であり毎年上流からの土砂が堆積するので、専門家の事前検討が必要と考える。

でんぱつ、何らかの流下防止設備を設置することを約束

1997(H9)

全国的にスモールマウスバスの生息域が拡大

国の密放流防止事業が始まる。

各釣り宿、民宿を通じ、密放流防止のポスターやチラシを配布

湯之谷揚水発電、電調審を通過

1998(H10)

2月

蛇子平開発に地元が同意

4月

理事会で禁漁区の環境保護、維持を目指し、地元と協力して原点である奥只見の魚を守り育てる活動を続ける事を確認

1999(H11)

7月1日

増設本工事開始。工事車両が頻繁に往来する事による事故防止のため、大鳥方面及び袖沢方面への立ち入り禁止措置が始まる。

8月

銀山湖で釣り上げられたブラックバス(ラージマウスバス)を確認

ただちに、魚沼漁協、県内水面試験場など関係機関に報告

生息状況の調査及び駆除の実施をお願いする。

魚沼漁協にバス釣り禁止を含めた規制を嘆願。しかし、認定魚種ではないために規制できないとの回答

でんぱつへ、水位変化による産卵床の破壊等の協力を依頼

10月2日

銀山湖でブラックバス生息分布調査を実施

魚沼漁協、新潟県内水面試験場からも協力を得る。

調査結果を県内水試に渡し、分析を依頼

会員を通して、インターネット上のバス釣り関連フォーラムに「密放流をどう思うか」等を投稿

10月
21,22日

銀山湖で新潟県内水面試験場と魚沼漁協によるブラックバス捕獲調査

新潟県内水面試験場と魚沼漁協の調査に協力

新潟県より外来魚の急増に対して何かしらの歯止めが必要であり、準備もある諭旨の説明を受ける。

12月28日

新潟県で外来魚のリリース禁止が公示される。

異例の速さに驚く。

2000(H12)

全国各地で新潟県を手本とした外来魚のリリース禁止が行われる。

4月

現任の星 和夫さんが、四代目の禁漁区監視員となる。

6月
29,30日

銀山湖で新潟県、福島県による合同捕獲調査

調査に協力を行う。

駆除や密放流防止等には一般やバス釣り愛好家の協力が必要不可欠との立場から、参加者を募集。賛同を得たバス釣り愛好家やバスプロも参加

10月

銀山湖で新潟県、福島県による合同捕獲調査

魚沼漁協及び県内水試との協力体制が整わず、会員や一般に対して参加募集が出来ず。

12月

全国的にブラックバス駆除論が高まる。

各地でシンポジウムが開かれようになる。

新潟県の各種団体と、新潟市でブラックバスシンポジウムを共催

感情論ではバス問題は解決せず、解決にはバス擁護派の協力が必要との立場から、バス釣り愛好家やバスプロに声をかけ、多数が参加

2001(H13)

日本釣具振興会を中心に、ブラックバス棲み分け論が提案される。

6月

でんぱつが「迷入魚防止対策設備」の説明会を行う。

説明内容(概要)

  • 各種試験を実施し検討を重ねた上で、ワカサギには照明が有効との結果を得た。
  • ワカサギ以外の魚種を考慮すると、照明と音響の組み合わせがより有効ではないかとの意見をえて、組み合わせでの試験、検討を行い、互いの効果が低減しないことを確認
  • 刺し網、エアーカーテンは、破損や技術的な問題のため、設置不可
  • 試験結果や他の発電所での実績などから「照明と音響の組み合わせ設備」を設置することにした。

「現在の技術レベルでは、高水準の流下防止策として評価できるが、これで終わりではなく、継続して対策に取り組んでほしい。また、将来、より効果的な対策が現れた場合、積極的に導入してほしい」等の要望を伝える。

日本釣具振興会より魚沼漁協に「駆除に協力したいので、銀山湖でブラックバス駆除目的の釣り大会を開催したい」諭旨の申し入れがある。

魚沼漁協に「ブラックバス釣り大会反対」を嘆願

魚沼漁協が日本釣具振興会に対し「いかなる理由でもバス釣り大会は行わせない」と回答

9月

でんぱつ、湯之谷揚水発電計画中止を発表

12月

新潟県、単独の佐梨川ダム建設に難色を示す

2002(H14)

湯之谷村村長、湯之谷揚水発電計画の中止を受け入れる。

4月

湖畔より蛇小平へ。6軒の民宿が引っ越し

地元は、禁漁区環境保護の先進地(長野県あずさ川)を視察。禁漁区の中で魚と一緒の生活と保護の両立を確認

今まで以上の魚族保護を再確認する。

12月

でんぱつと関係町村で湯之谷揚水計画中止の保証交渉が合意

新潟県、でんぱつと地元町村の合意を受け、揚水計画中止を容認

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