木杭試し打ち

計画書のバーブ工は河床に木杭を幾つか打ち込み、枠としてその木杭枠の中に現場にある程度の大きさの石を入れ、ネットで包み強い流れにも流されないバーブを作るというものだった。

ネットで包む為、バーブ完成当初は河川内で人工物のネット(黒)が目につくが時間の経過とともに砂や石が堆積し植物が発生しネットも馴染み目立たなくなるというイメージでした。

新案

出来るだけ景観も損なわないようにと岩瀬さんから新案が届いた。

新案ではネットの代わりに石にアンカーを打ち込みチェーンで各アンカーを繋ぎ一つの塊とする方法で

ネットと比べると外観はより自然になった。

材料費もネットと比べると削減できる。

木杭試し打ち

図面の中でどうしても気になることがあった。

それは木杭を人力で河床に打ち込むのだが大き目の石で河床が形成されている北ノ又川に木杭が入って行くのだろうか?という事だ。

2021年11月15日

北ノ又にて実際に木杭の試し打ちをすることとなった。

魚沼地域整備部治水課にも現地の状況と、課題、問題点を共有し協力頂けるととなった。

北ノ又の流れのパワーにどれほど耐えられるかの耐久テストも兼ね小さいバーブ工も設置する事とした。

岩瀬さん、河口さんが再び駆けつけてくれ、設置個所や角度など現場で指示を出す。

木杭は僕等素人では思うように入って行かないが土木のプロたちがやると人力でも打ち込めることが分かった。

木杭を打設後現場の石を入れバーブとした。今回はチェーンでの固定は無しで様子を見る事に。

今回の事業の具体的な予算も見えてきたので予算確保も進める・・・

アドバイスの元、幾つかの助成事業の中から「新潟県建設技術センター」が地域の発展、課題解決の為の調査研究、活動に助成する助成事業に応募する事とした。

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宮ノ淵 修復計画

現地調査を終えると岩瀬さんが早速、修復計画案を作ってくれた。

(バーブの構造はこの計画書から変更になっています。)

過去の時間当たりの最大雨量が45年の歴史の中で、近年に集中している事はやはり地球規模の気候変動の影響でしょうか・・・・

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宮ノ淵復活へ向かって

まずは岩瀬氏、河口氏より現地確認をしてもらう事となった。

2020年11月14日、北海道から岩瀬氏、徳島から河口氏が手弁当で駆けつけてくれた。

左:岩瀬氏 中央:河口氏 右:池田副代表

河川工学のスペシャリスト岩瀬氏よりどうして宮ノ淵が埋まってしまったのか?、今後どうなるかの予測説明等、様々なアドバイス、説明を受ける。

宮ノ淵上端の川幅が広くなるエリアは増水時、上流の(川幅の狭い)強い流れで動かされた大きな石が、川幅が広がり流れが緩んだ所で石を動かすパワーが無くなり堆積して行く。(白沢合流点付近)

この堆積した石は新潟福島豪雨以上のパワーのある水が出ないと動く事はないという事。

10年、30年、もしかしたら100年後にはその様な水が出る事があるかもしれないが、それまでの間に現状で問題がないのか・・・

現場では本当に貴重なアドバイスを頂きました。

その後、河川内に降りて大まかな測量を行い、改めて大量の石が宮ノ淵上端に堆積している事がわかりました。

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バーブ工法

豪雨から数年。

淵として機能しなくなった宮ノ淵をどうにか復活させたいという想いはあるものの

復活させる方法をどうしたものかと暗中模索の日々。

そもそも素人考えでは重機で淵に堆積した土砂を取り除く位しか思い浮かばない。

重機で掘り下げれば復活するのか・・・

またすぐに埋まってしまうのでは・・・

出来れば、重機に頼らず、できるだけ人力やその場にあるものを利用してどうにかできないものか・・・

そんな話をしながら月日は流れ、ここ数年はフィッシュウォッチングも開催できずにおりました。

バーブ工法と出会う!

そんな折、銀山平や育てる会にアドバイス、ご尽力を頂いている徳島大の河口准教授からバーブ工法という技法の情報を頂いた。

バーブ工法のバーブとは釣り針のバーブ(かえし)の事で川の流れに対して、河岸から高さの低い(水面直下位の高さ)堤防を上流に向け数m突き出し(これがバーブ)、流れに運ばれてくる砂を溜め、現在の流れを時間を掛けて蛇行させ寄り洲を形成することを目的とした新しい河川工法の技術だそうです。

そしてこのバーブ工法の第一人者が㈱北海道技術コンサルタント川づくり計画室の岩瀬晴夫さんで河口さんと仕事上の繋がりもあり、宮ノ淵復活の為のアドバイスをいただける事となった。

続く・・・

写真は2020年11月18日の宮ノ淵 画像右側が上流

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